[メイン2] サスケ :
[メイン2]
サスケ :
ぽたり、と衣服の下から血は流すものの
それを足で無理矢理踏み消して
[メイン2]
サスケ :
ゆらり、と揺れつつ
人気も少ない、路地裏の方に向かう
[メイン2]
サスケ :
途中、血の流れを無理矢理堰き止めて
雲隠れの成功ってわけだ
[メイン2]
サスケ :
とは言え、しくじったものはしくじった。
やれると思ったが、腕も鈍ったな。
[メイン2]
サスケ :
そう考えつつ、壁にもたれる
背中をつけたことにより、血痕が壁に付着するが
気には留めない
[メイン2]
サスケ :
そして、追手はいないかどうか
神経を研ぎ澄ませようとして
[メイン2] ??? : 黒髪の少年を追う足音が、路地裏に響きます。
[メイン2]
サスケ :
黒衣から刀を取り出そうとする。
先程の酒場の時とは違い、その判別には疎く。
[メイン2] ??? : そしてその場に現れたのは…。
[メイン2] イレイナ : 可憐な美少女でした。
[メイン2] イレイナ : 「あっ…こんなところに」
[メイン2] サスケ : 「…………」
[メイン2]
サスケ :
違ったようだ、刀は収めないが
刀を握る手の力は弱める
[メイン2] イレイナ : サスケさんを見つけて安堵の表情になります。
[メイン2] イレイナ : 「まったく、スリをするのは勝手ですが、相手を選ばないと死んでしまいますよ?」
[メイン2] イレイナ : 「あの人たちは天竜人と言って、とっても偉い方なんです」
[メイン2]
サスケ :
「……偉いから盗むなって事か」
[メイン2] サスケ : そもそも盗み事態奨励されたものでもないのだが。
[メイン2] イレイナ : 「違います。お金が必要ならもっと賢い方法があるってだけです」
[メイン2] イレイナ : 「…今からそれを見せてあげたいのですが、まずは傷の治療ですね」
[メイン2] イレイナ : 見せて下さい。とサスケさんに触れようと手を伸ばします。
[メイン2]
サスケ :
「問題ない、この程度なら」
拒絶はする。
しかし、手は払い除けない。
[メイン2] サスケ : あくまで口だけだ。
[メイン2] イレイナ : 「………」
[メイン2] イレイナ : まったく、この年頃の男性はみんなこんな感じなんでしょうか。
[メイン2] イレイナ : 《袖が…!!!》
[メイン2] イレイナ : 手持ちの衣服をちぎり、サスケさんの傷口にあてがいます。
[メイン2] サスケ : やはりと言うべきか、抵抗はしない。
[メイン2]
サスケ :
意地を張っているのか、それとも他者に迷惑をかけさせるつもりもないと言う表れか。
あるいは本当にどうにかするつもりなのか
[メイン2] イレイナ : 「ちょっと痛いかもしれませんが、ガマンして下さいね」
[メイン2] イレイナ : GMさん、器用度に≪旅人≫を使って治療してもよろしいでしょうか?
[メイン2]
サスケ :
そして自分で、後々の依頼の終了のためと
納得を含ませた、無理矢理
[メイン2] GM : どうぞ
[メイン2] イレイナ : 2D6+13+3>=1LV 器用SR (2D6+16>=20) > 8[3,5]+16 > 24 > 成功 > 経験値8
[メイン2] GM : 1D回復です
[メイン2] サスケ : 1d (1D6) > 2
[メイン2] イレイナ : 「まったくこれから魔獣の森に行くというのに…」
[メイン2] イレイナ : ブツブツ言いながらも治療を続けます。
[メイン2] イレイナ : 「とりあえず応急処置は終わったので、もう動いても大丈夫ですよ」
[メイン2] サスケ : 「放ていてもよかったものの」
[メイン2] イレイナ : でも、あまり無理はしないでくださいね。と釘を指しておきます。
[メイン2] イレイナ : 「私もそのつもりだったんですけどね」
[メイン2]
サスケ :
少し体を動かすが、問題はなさそうで。
なるほど、と。腕が立つなと
[メイン2] イレイナ : 撃たれたのを見たらとっさに足が動いていたから仕方ないんです。
[メイン2]
サスケ :
「………思ったよりもお人好しなんだな」
思ったまま、口にする
[メイン2] イレイナ : 「よく言われます。個人的にはそんなことないつもりなんですけどね」
[メイン2] イレイナ : さてと、と立ち上がります。
[メイン2] イレイナ : 「お人好しついでに賢いお金稼ぎの方法を教えます」
[メイン2] サスケ : 「………」
[メイン2] サスケ : 「ならば、今は従っておこう」
[メイン2] イレイナ : サスケさんの言葉にコクリと頷きます。
[メイン2]
サスケ :
助けられた恩もあるのだろうか、従うことにした。
表には出さないが。
[メイン2] イレイナ : 「さて、これはなんでしょうか?」
[メイン2] イレイナ : そう言って鞄からたいまつを2本取り出します。
[メイン2] サスケ : 「たいまつ2本。そのくらいはわかる…バカにしているのか」
[メイン2] イレイナ : 「ふふ、その通りです」
[メイン2] イレイナ : にやりと口をゆがめます。
[メイン2] イレイナ : 「ではこうすると?」
[メイン2] イレイナ : 《大丈夫!詐欺じゃないよ!》
[メイン2] イレイナ : 1本のたいまつが魔法の杖へと変わります。
[メイン2] イレイナ : 「さて、これはなんに見えますか?」
[メイン2] サスケ : 「魔法の杖か」
[メイン2] サスケ : 「しかしそれをどうするつもりだ」
[メイン2] イレイナ : 「売るんです」
[メイン2] イレイナ : あっけらかんと、悪びれることなく告げます。
[メイン2] サスケ : 「フッ……」
[メイン2] サスケ : 「存外悪どいことを考えるな、アンタは」
[メイン2] イレイナ : 「女一人で旅をしてますからね。処世術ですよ」
[メイン2] サスケ : 僅かに口角を上げる、この街に来て初めてだろうか。
[メイン2] サスケ : 「なら、そのお手並みを拝見するとするか」
[メイン2] イレイナ : 「もちろんあなたにも手伝ってもらいますよ」
[メイン2]
サスケ :
そう言ったものはあまり学んでいなかった。
と言うのも、碌な教育は一切なかったが故に。
[メイン2] イレイナ : 本当は3本売るつもりだったけど、魔力が足りなくて2本しか変えられませんからね。
[メイン2] イレイナ : 《大丈夫!詐欺じゃないよ!》
[メイン2] イレイナ : もう一本も魔法の杖に変えます。
[メイン2] イレイナ : 両手に1本ずつ持つ魔法の杖の片方をサスケさんに手渡す。
[メイン2] イレイナ : 「ではこちらをお願いしますね」
[メイン2] サスケ : それを受け取り、頷く
[メイン2]
サスケ :
しかしまあ、やられたな。
と、心で思いつつも
[メイン2] イレイナ : 「では行きましょうか」
[メイン2] サスケ : 「了解」
[メイン2]
サスケ :
以前より、多少は柔くなったのだろうか。
そのような態度と声色で、着いていくことにした
[メイン2] サスケ :
[メイン2]
サスケ :
売るサスする
タレントもあるので+3だ
[メイン2] サスケ : 2D6+18+3>=2LV 知性SR (2D6+21>=25) > 4[1,3]+21 > 25 > 成功 > 経験値8
[メイン2]
GM :
魔法の杖は、50万ベリーで売ることができた。
サスケの弁舌もあり、難なく交渉は終わった。
[メイン2]
サスケ :
そしてその流れのまま、世間話だ。
何、悪どいことにはこのようなものも付き物だろう?
[メイン2] サスケ : 2D6+18>=1LV 知性SR (2D6+18>=20) > 19[3,3][3,3][2,5]+18 > 37 > 成功 > 経験値19
[メイン2] GM :
[メイン2]
GM :
・「製鉄村・シュタールバーク」について
フーシャ王国より少し離れた、辺境の地にある、小さな村。一つの大きな製鉄所として、稼業を成り立たせているようで、武具・防具はこの村から仕入れている商人も多いようだ。
製鉄稼業のライバルが周辺にいないということもあり、大きく発展しており、村人の数も年々増えていっているようだ。
そのため、領土拡大、そしてさらなる稼業のためにも、アインザムの森を完全な支配下に置くことを検討している。
シュタールバークは、村でありながらも、武具・防具を取り扱っていることもあり、兵力としては高い部類にある。本依頼が来る以前からも、アインザムの森での採掘中での戦いを経験しており、戦争のノウハウは、そこらの穏便な王国よりも持っているとされている。
オクタヴィアという女性が領主を務めている。女性でありながら、男勝りな性格をしており、厳しい面が多いが、時には母のように優しい一面も見せるということで、村人達からは慕われているようだ。
[メイン2] GM :
[メイン2]
GM :
商人は嬉々として上記の内容をサスケに話した。
魔法の杖という高価な物を手に入れられて満足そうだ。
[メイン2] イレイナ :
[メイン2] イレイナ : 同じ場所で売ると足が着きそうなので、手頃なところまで移動してから魔法の杖(偽)を売却します。
[メイン2] イレイナ : 2D6+18+3>=1LV 魅力SR (2D6+21>=20) > 4[1,3]+21 > 25 > 成功 > 経験値4
[メイン2]
GM :
イレイナの美貌もあり、魔法の杖は50万ベリーで無事に売ることができた。
こちらの商人もまた、とても満足そうな顔をしている。
[メイン2] イレイナ : 上手いこと売ることができました。
[メイン2] イレイナ : 商人さんに手を振り、その場をあとにします。
[メイン2]
サスケ :
その場に、黒い服を着た少年が1人
杖は無い。
[メイン2] イレイナ : その様子を見て、ニコリと笑います。
[メイン2] イレイナ : 「これなら誰も損をしないでしょう?」
[メイン2] サスケ : 「ハッ…上手いこと考えやがる」
[メイン2]
サスケ :
そのまま、稼いだ金を入れた財布をイレイナに渡そうとする
教義代、と捉えたためだ。
[メイン2] イレイナ : 「いいですよ。受け取っておいて下さい」
[メイン2] サスケ : 「なんだと…?」
[メイン2] イレイナ : 「元々800ベリーで仕入れたものですからね。今回の依頼に横入りしたのもあるのでそれの代金ってことで」
[メイン2] サスケ : 「………そうか」
[メイン2] サスケ : ならば、従っておこうか。
[メイン2] イレイナ : VTRさんでしたっけ?彼と一緒にいると色々と大変そうなので、同情的な意味もあったりします。
[メイン2] サスケ : 「…その横入りした依頼の情報くらいは伝えておくべきか」
[メイン2] イレイナ : 「…!」
[メイン2] イレイナ : ぜひ、と耳を傾けます。
[メイン2]
サスケ :
と、得た情報について話す。
少年の生きた中でこの行為は珍しいものだったが。
[メイン2] イレイナ : 「ふむふむ。森に領土拡大、ですか」
[メイン2] サスケ : 「森を完全に征服するつもりらしい。冒険者としては武具などもあって助かるが」
[メイン2] イレイナ : はい、そうですね。とサスケさんにうなずきます。
[メイン2] サスケ : 「………取り敢えず、向こうに向かうまでの準備くらいは整えておくか」
[メイン2] イレイナ : 「そうですね」
[メイン2] サスケ : そのまま、歩き始めて
[メイン2]
サスケ :
「……あり…いや、何でもない」
そのまま早足で向かうことにした
[メイン2] イレイナ : 本当に素直じゃないようですね。サスケさんの言葉を聞き流して、お店に向かいました。
[メイン2] サスケ :
[メイン2]
サスケ :
冒険者セットを1つ、テントと弁当を1つ、衣服を2着程買うことにした。
何故か?血塗れなのは印象に関わるだろ。
[メイン2] サスケ :
[メイン2]
イレイナ :
以下を購入します。
普通の衣服*3
食料袋*2
冒険者セット
テント(1人用)
調理道具一式
ゴージャス海賊弁当*3
[メイン2] イレイナ :
[メイン2] サスケ :
[メイン2] サスケ :
[メイン2]
サスケ :
あれからというものの、暫く行く宛も無かったのもあり
この場に暫く滞在することとなった。
[メイン2] サスケ : 村にしては情報の入りも悪くない、そこそこ遠くの土地の噂話までよく聞こえる。
[メイン2] サスケ : 少なくとも、目的を果たすなら今はここで十分だろう。
[メイン2] サスケ : 目を閉じる。
[メイン2] サスケ : そのまま、酒場で水を飲む。
[メイン2]
サスケ :
酒は飲まない。
飲んでどうなるかは知っているのもあるが、興が基本乗らないからだ。
[メイン2] サスケ : 今回の顛末は、一般的な観点で見るならとてもいいものなのだろう。
[メイン2]
サスケ :
死のうとしていた親子を救い、流れる血を留めたのだから。
これ以上は完全無欠の終わりを求めるしかないし、それを求めるのはこんな世界では不可能でもある。
[メイン2] サスケ : ただ、思うところがあるとするならば
[メイン2]
サスケ :
ああ言ったやつが、自分の所にも来ていたのならば
……今、こうして一人でいなかっただろう。
[メイン2] サスケ : ………
[メイン2]
サスケ :
素直に良かったな、と喜べないのか。
喜べるはずがない。
[メイン2]
サスケ :
もう何もかも喪くしているのだから。
[メイン2] サスケ :
[メイン2] サスケ : 2割程のくだらない諦観と、8割程のくだらない嫉妬心が
[メイン2] サスケ : 水と共に胃に流し込まれた。
[メイン2] サスケ :
[メイン2] サスケ : 目を、開けた。
[メイン2] サスケ :
[メイン2] サスケ :
[メイン2] サスケ :
[メイン2] イレイナ :
[メイン2] イレイナ :
[メイン2] イレイナ : 私は宿屋にて今回の旅での思い出を書き記していました。
[メイン2] イレイナ : 青色の喋るゴーレム?が酒場の床を踏み抜いたこと。
[メイン2] イレイナ : 黒髪の少年に賢い生き方を教えてあげたこと。
[メイン2] イレイナ : 緑髪の酔っ払った優しい青年のこと。
[メイン2] イレイナ : そして…。
[メイン2] イレイナ : 『白の少女からアインザムの森に住む方々の話を聞いたとき、私の胸中には昔出会った魚人の女の子の姿がありました。』
[メイン2] イレイナ : 『彼女はとある事情で人類に対し怒りを覚えていたのですが、それと同時に人類への興味を持っている不思議な方でした。』
[メイン2] イレイナ : 『私と行動を共にし、人を愛する他種族の同類と出会ったことで、彼女の考えにも変化が起き、自身も人類へと歩み寄ろうとしていた覚えがあります。』
[メイン2] イレイナ : 『皆が皆、彼女のような道を選べないのは、私自身は百も承知なのですが、それでもやはり期待してしまうところがあります。』
[メイン2] イレイナ : 『ワーウルフの娘と名乗る少女があの後どうなったのか私は知りません。しかし、彼女も魚人の彼女のように色々なものを見て、様々な出会いを得て、変わることができたらと私は思っています。』
[メイン2] イレイナ : そこまで書くとペンを置き、パタンと本を閉じます。
[メイン2] イレイナ : 「…我ながら甘い考えですね」
[メイン2] イレイナ : 立ち上がり、んー。と背伸びをすると、宿の外から喧噪が聞こえることに気がつきました。
[メイン2]
イレイナ :
なんでしょうか?
そう思い、窓から顔を出して下を見ると、警備の方でしょうか?沢山集まっているようです。
[メイン2] イレイナ : 耳を澄ますと、「杖が…棒きれに…容疑者…」などと聞こえますね。
[メイン2] イレイナ : 「………」
[メイン2] イレイナ : 実はあの後も路銀に困らないように、たいまつを魔法の杖にして大量に売り捌いていたのですが、もしかしたら足が付いたのかもしれません。
[メイン2] イレイナ : それにしても、私が泊まっている宿がバレてしまうとは…美しすぎるのも困りものですね。
[メイン2] イレイナ : でも、ちょうどいいタイミングですね。そろそろ別の国へ旅立とうと思っていたところです。
[メイン2] イレイナ : 私はすぐにローブに袖を通し、帽子を被り、箒に乗って窓から外へ飛び立ちます。
[メイン2] イレイナ : 下の方から何やら怒声のようなものが聞こえますが、きっと私を讃える声でしょう。
[メイン2] イレイナ :
[メイン2] ??? : 次に行く国はどんな国でしょう?
[メイン2] ??? : 次に出会う人はどんな人でしょう?
[メイン2] ??? : そう期待に胸を膨らませている、その旅人は一体誰か?
[メイン2] ??? :
[メイン2] イレイナ : ──そう、私なのでした。
[メイン2] イレイナ :
[メイン2] イレイナ :
[メイン2] イレイナ :
[メイン2] ネツァク : 青年はいつものように酒場にいた。
[メイン2] ネツァク : その”いつも”と違うのは、頬が朱色に染まっていないことだった。
[メイン2] ネツァク : 並々と小麦色の液体がそそがれたグラスでは、そろそろ氷が溶け切りそうで。
[メイン2] ネツァク : ただ、物思いにふけっていた。
[メイン2] ネツァク : 彼は、元魔術師教会所長である。
[メイン2] ネツァク : 元と名が付いたのは、彼の身に合わぬ背筋を伸ばしたから。
[メイン2]
ネツァク :
大切な人を救おうと躍起になって。
仲間も、立場も、その人でさえも。
全てを失ったから。
[メイン2]
ネツァク :
この世界にあるのは絶望だけだ。
心に罪悪感なんて必要ない。助けるなんて絵空事でしかないのだから。
[メイン2] ネツァク : 揺れる水面を、目に。
[メイン2]
ネツァク :
なのに、あの少女は。
……屈折しても、挫折しても。
結果留まる事を知らなかった。
[メイン2]
ネツァク :
希望だけを抱いていた。
そして────現実は討伐した結果より、より良い結果となった。
それは、ネツァクにとって。
[メイン2] ネツァク : 「……はは、僕には力がなかったんだろうな」
[メイン2] ネツァク : 口をグラスに付けたかと思えば、酒を飲み干す。
[メイン2] ネツァク : 酒場では、立場も仲間も誰だって関係ない。
[メイン2] ネツァク : 誰もが等しく────
[メイン2] ネツァク : ただの、酔っぱらいだ。
[メイン2] ネツァク :
[メイン2] ネツァク :
[メイン2] ネツァク :
[メイン2] ミスター・VTR : 依頼は終わり、酒場への弁償も済んだのだが……。
[メイン2] ミスター・VTR : 「修繕の手伝いも込み込みだったとはなァ……」
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 「まあこればかりはしょうがないですよ…」
[メイン2]
ミスター・VTR :
いそいそと修繕する。
ちなみに今は超人特有の能力でちょっと地面に浮いてるので床は抜けない。
最初からやれ。
[メイン2] ミスター・VTR : 「あ、そういえばエクレシアに言い忘れてたことがあったんだ」
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 「?」
[メイン2] ミスター・VTR : 「実はな──」
[メイン2] ミスター・VTR :
[メイン2] ミスター・VTR : 「お前……」
[メイン2] ミスター・VTR : 「…………」
[メイン2] ミスター・VTR : 暫しの沈黙。
[メイン2] ミスター・VTR : (つってもよく考えたら天竜人だからエクレシアの本質が変わるわけでもねェな……)
[メイン2] ミスター・VTR : (その辺は伝えといた方が)
[メイン2]
ハレ :
「…………だ、だったら、なぁ、だったらよ……!
追放されることの、怒りは……知ってるだろ……!?」
[メイン2] 白の聖女エクレシア :
[メイン2] ミスター・VTR : (まずい話すタイミング逃した)
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 「わかりますよ」
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 「だけど…」
[メイン2]
ミスター・VTR :
(おわァアアア〜〜っ!!!
オレさまがめっちゃ重い沈黙を貫いてるみたいになっちまったァ!!)
[メイン2] ミスター・VTR :
[メイン2]
ミスター・VTR :
「ということで、オレさまは天竜人でも変わらんなと思ってたけど逃したので伝えたかったんだ。
もしかしたら気にしてたかもしれないので」
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 「……」
[メイン2] 白の聖女エクレシア : その言葉に
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 笑顔を返す
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 「ふふっ、ありがとうございます!」
[メイン2]
ミスター・VTR :
「人間とか魔獣とか天竜人とか超人とか
そういう外面だけでは全ては判断出来なかったんだな」
[メイン2]
ミスター・VTR :
今回の話も、誰が悪いというわけでもない。
誰もがこの世界で必死に生きた結果だったのだ。
[メイン2] ミスター・VTR : カンナから「手動かせよ〜!」と指摘されたので、空返事を返しながら作業に戻りつつ
[メイン2] ミスター・VTR : 「そういや天竜人降りた後はこのまま冒険者やるつもりなのか?」
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 「このままも何も…私は大分前から冒険者ですよ?」
[メイン2]
ミスター・VTR :
「意外とベテランだったのか……。
まあそれはそれとして、このままだと限界があるかもしれねェだろ」
[メイン2] ミスター・VTR : 「今回だってオレさまはこれ以上はそうそうないなって結果だと思ってるが、エクレシアはやっぱり気にしてるかもしれんしな」
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 「……」
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 「それでも、旅を続けますよ」
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 「初めは追われるだけの日々だったけど」
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 「皆と出会っていくうちに、」
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 「何か…こういうのも悪くないかなって」
[メイン2] ミスター・VTR : なるほどな、と頷く。
[メイン2]
ミスター・VTR :
「まあでも助ける手段は多いに越したことはない。
そこで聞きたいことがある」
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 「なんでしょう?」
[メイン2] ミスター・VTR : 「天竜人って、後からなれたりとか……しないんすか?」
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 「…う、う~ん?」
[メイン2]
白の聖女エクレシア :
「少なくとも私は明確に追放された立場なので無理かと…」
それこそ世界がひっくり返らない限りは
[メイン2]
ミスター・VTR :
「そうか……あんなのが天竜人になるより、エクレシアが天竜人に返り咲けばもっと助けられたかもしれねェのにな。
ついでにオレさまが追われなくて済むし」
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 「う~ん、でも」
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 「今の私は力がないわけじゃないですから」
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 「この先も私は」
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 「”魔術師”として世界に関わっていきますよ」
[メイン2]
ミスター・VTR :
「……ま、そっちのがエクレシアらしいかもな。
オレさまは天竜人時代のことあんま知らんし、偉くなったら知り合いとも会いにくくなるだろうからな」
[メイン2]
ミスター・VTR :
「冒険者は過酷だが何より自由っ!
次会ったらまたよろしくな」
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 「はい!よろしくお願いします!」
[メイン2] 白の聖女エクレシア :
[メイン2] 白の聖女エクレシア : この時代を生き抜くには
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 彼女は優しすぎる
[メイン2] 白の聖女エクレシア : それでも、彼女はきっと大丈夫だろう
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 彼女が誰かにそうしてきたように
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 多くの繋がりがある内は、きっと
[メイン2] 白の聖女エクレシア :
[メイン2]
ミスター・VTR :
「よしよし、これで修繕は
終
わ
り
だ」
[メイン2]
ミスター・VTR :
最後の穴を板で塞ぎ、弁償も終わる。
今回のお話はこれでおしまい。
[メイン2]
:
と思った次の瞬間!
乱暴に酒場の扉が開け放たれる!
[メイン2]
チャルロス聖 :
「5億だえ!
この青くて四角い生き物を捕まえた民には5億ベリーをやるえ〜!」
[メイン2] チャルロス聖 : チャルロス聖がVTRの似顔絵を掲げ、本格的な捜索を始めていたのだ!
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 「!?」
[メイン2]
ミスター・VTR :
「まずい天竜人がまた来た。
今はメタリックだからバレてねェが長居は出来ねェな」
[メイン2] ミスター・VTR : 窓を開け、足をかける。
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 「に…逃げましょう!」
[メイン2] 白の聖女エクレシア : 同じく窓から逃げる
[メイン2]
ミスター・VTR :
「いやエクレシアは逃げなくてもいいんじゃねェの?
オレさまはほとぼりが冷めるまで逃亡生活するしな」
[メイン2] ミスター・VTR : 言いながら窓から飛び出し、街の外へ駆ける。
[メイン2]
白の聖女エクレシア :
「いや…私もあの時見られたかもなので…」
「あっ!待ってくださ~~~い!!」
[メイン2]
ミスター・VTR :
修繕が終わり、今回のお話が終われば二人はまた別の冒険を続けるのだろう。
もしかしたら、また道が交わることもあるかもしれない。
[メイン2] ミスター・VTR : だが、その前にほとぼりが覚めるまでの暫しの間、二人は逃亡生活をすることになるのであった。
[メイン2] ミスター・VTR :
[メイン2] ミスター・VTR :